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梁丞佑写真展「人間模様」開催のお知らせ

11th April 2019

EXHIBITION

ningenmoyou

4月27日より、写真家 梁 丞佑(ヤン・スンウー)の写真展『人間模様』を開催いたします。

第36回土門拳賞を受賞した写真集「新宿迷子」から3年。「歌舞伎町の景色が好きでたまらない」という梁氏は、今なおこの街に足しげく通い写真を撮り続けています。
全てがモノクロ写真で構成されていた「新宿迷子」に対し、今回の『人間模様』で展示されるのはカラー写真。ニュートラルな印象が薄れ、街の体温や息づかいなど、まるで現場で目撃しているかのようによりリアルに伝わってくるのではないでしょうか。
見る者に強烈なインパクトを与える彼の写真は、時に目を背けたくなるような光景が写されているのも事実ですが、そこにあるのは紛れもなくこの日本で生きる人間の姿。新宿・歌舞伎町というだけで身構える人もいるかもしれませんが、偏見も差別も、なんのフィルターも通さず撮影された写真は、生々しくもどこか温かい人間臭さが漂います。

今回の『人間模様』は1Fギャラリーに加え2Fのスペースも使い、およそ30作品を展示いたします。初日にはオープニングパーティーも開催しますので、作家と直接話ができる機会にぜひお越しください。
また、テレビ朝日系列の共同制作ドキュメンタリー番組『テレメンタリー2019』で梁氏への密着取材が行われました。内容から幾つかの放送局は撮影を断念する中、唯一続行され完成した番組です。テレビ朝日では4月28日(日)朝4時30分から放送予定。彼の人柄や思考、撮影風景はもちろん、身近なようで知らない新宿の姿が垣間見える興味深い内容となっておりますので、本展示と合わせてぜひご覧ください。

梁丞佑写真展「人間模様」
2019年4月27日(土) – 5月12日(日) 12:00–19:00
BOOK AND SONS 1F・2F
入場料:無料 ※水曜定休

梁丞佑 × 菅沼比呂志 トークショー「写真で生きる。梁丞佑」
2019年5月11日(土) 17:00~18:30
参加費:無料
定員:着席25名(25名を超えた場合は立見の可能性がございます)
※事前のお申し込みなく当日直接お越しいただいてもご参加いただけますが、座席はオンラインストアから事前にお申し込みいただいた方が優先となります。

テレビ出演情報
テレメンタリー2019「平成 歌舞伎町 狂詩曲」
2019年4月28日(日)朝4時30分よりテレビ朝日にて放送予定
※全国のテレビ朝日系列放送時間は番組HPよりご確認ください

ningenmoyou

新宿駅東口から歌舞伎町の方に吸い込まれるように歩いて行くと、もう胸がドキドキしてくる。人間の欲望が見え隠れする街が歌舞伎町である。その景色が好きで好きでたまらない。
キラキラ光っているネオンの下に、ダンボールを敷いてあおむけに寝ると、これがまた、気持ちいい。なんだか社会という歯車から外れたようで違った角度から自分のこととか色々なことを考えられる。悩んだ時はダンボールが最高だ。
1998年より私は歌舞伎町の写真を撮り始め、今回の展示作品は比較的最近撮影したカラー作品から選んでいる。様々な問題もあるが、私はこの街が大好きだ。

2004年、当時の都知事の方針により「歌舞伎町浄化作戦」が開始され、翌年には「歌舞伎町ルネッサンス推進協議会」が発足した。歌舞伎町は安全で誰もが楽しめる“クリーンでクールな街”に変わり始め、かつての街は姿を消しつつある。だが、誰かの『居場所』である事は今も変わらない。どこかあたたかい寂しさを漂わせるこの街のそんなところが、魅力が半減した今でも変わらず私の足を向かわせるのである。

この街の行き先をしっかりと見届けたいと思う一方で、時代の変化とともに私もデジタルカメラを使うようになり、フィルムは時々になった。暗い場所での撮影は驚くほど楽になったが、「明るい街」に変わりつつある歌舞伎町の撮影そのものは困難になった。

人が変わり街も変わる。
僕もそろそろ変わろうかな?!

(梁 丞佑 / 写真展「人間模様」に寄せて)

梁 丞佑 Yang Seungwoo(ヤン・スンウー)
96年に来日後、日本写真芸術専門学校、東京工芸大学芸術学部写真学科、同校芸術学研究科メディアアート専攻博士前期課程を経て、現在はフリーランスフォトグラファーとして活動する。写真集に『君はあっちがわ僕はこっちがわ』(2006)、『青春吉日』(2012)、『人』(2017)など。2016年に出版した写真集『新宿迷子』で第36回土門拳賞を受賞。

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