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1950年代のカリフォルニアサーフコミュニティーから出現したスケートボードは、スポーツではなくカルチャーとして独自の文化を築いてきました。今回は東京2020オリンピック競技大会にて正式種目となったことでさらに注目度が上がるスケーターとその周辺を題材にした作品集をご紹介します。
ボードさえあればどこでもできるストリートスポーツであるゆえに、その真骨頂はスケートパークではなく都市に実在する建築物との対峙だと言われています。現代建築の資本主義的性格への批判、陳腐化した日常生活への抵抗など、さまざまな新しい価値観を孕む「カウンターカルチャー」を、スケートボーダーたちを通して鮮やかに描いた作品集をぜひお楽しみください。
Diaspora skateboards
Diaspora skateboardsは2010年に設立された東京を拠点に活動するスケートレーベル/ビデオプロダクション。不定期に発表される映像のBGMとしてKID FRESINOやJJJ、16FLIPら気鋭のヒップホップアーティストたちの楽曲を選曲するなどスケートボードに留まらず映像や音楽、ファッションなど幅広いカルチャーに影響を与え続けています。
本書は同レーベルに所属するフォトグラファー、 Cho Ongoによる写真集です。本作は所属メンバーや周辺のアーティストを被写体として、彼らの約10年間に渡る活動を80ページのボリュームで記録したもの。cho ongoが見てきたメンバーの日常とストリートシーンを垣間見ることができる一冊です。
Ar/KATE Mannheim
本書は様々なマンハイムのスケートスポットを写真と地図で紹介し、建築とスケートボードを繋ぐガイドブック。
マンハイムはドイツ南西部の中規模都市で正方形の街並みやバロック様式の城、コリーニセンターやネッカービルなどブルタリズム時代の建築物で知られている一方、「Mezz」と呼ばれるネットワーク化されたスケートボードシーンも存在している。
建築物とスケートスポットに関する短いテキストも合わせて掲載し、既存の建築物に対する新たな視点を提供する一冊。
548DAYS NO SKATEBOARDING
フォトグラファーDela Charles Lampacherがヨーロッパ、オーストラリア、アメリカを旅した約548日を記録した写真集。
ストリートでトリックを決めるスケーターたちと建築物や都市の風景に焦点が当てられており、Lampacher自身の建築や都市構造に対する見方とスケートボーダーとしての経験が結びついています。宙を飛ぶスケートボーダーの躍動感溢れる姿と静かな背景との対比がユニークで、一連のイメージはまるで時が止まっているかのようにも感じられます。
.OWT. issue02
スケートボードを軸に独自の視点で毎回2人のクリエイターにフォーカスする写真家・呉屋慎吾によるフォトマガジン。タイトルのOWTは逆から読むとTWO(数字の2)になり、ピリオドで両者を繋ぐ事で『2人の何か』という意味を持っています。
第2号となる本書では、パタゴニアやナイキなどのグラフィックデザイン、「かいじゅうたちのいるところ」のビジュアルイメージなど話題性のあるプロジェクトを手がけるグラフィックデザイナーGeoff McFetridgeのロサンゼルスにあるスタジオを取材しリアルな世界観に迫ります。2人目に取り上げるのはスケートボードフィルマーとして活動するTORIOTOKO(東芝美津子) 。これまでのスケート映像とは異なり時代背景、映像コラージュ、街で滑るスケーター達を独自の視点で写し取り、都会の隙間、哀愁、 ストリートスケートを映像で表現する断片を定点撮影するほか、収集している作品も合わせて紹介しています。