いつもBOOK AND SONSをご利用いただきありがとうございます。
今回紹介するのは雪を題材に撮影された写真集。
4人の写真家たちによって撮られた雪景色は、心を打つとともに同じテーマでも表現の仕方で大きく印象が変わることに気付かされます。自然環境が作り出した光景への憧憬が伝わる写真たちをぜひお楽しみください。
The Essence of the Winter Forest
北海道ニセコに暮らし、世界中の雪山を旅して雪国の風土や暮らしを撮影する写真家、渡辺洋一氏の写真集です。
スキーで滑る中で目にする風景を中心に撮影された写真は自然環境が作り出した景色の美しさや厳しさ、雪山本来の姿をスキーヤーの目線で味わえる作品となっています。
「雪の森こそ創造力が湧き、私に写真を撮らせてくれる大切な場所」と語る渡辺氏の視点から広がるスノーカルチャーに思いを馳せることができる一冊となっています。
写真家、横浪修氏が広告やファッション雑誌を中心に撮影する傍ら、2010年から個人作品として制作する「Assembly」シリーズを紹介します。”Assembly”とは集合や会合という意味で海、山、森など自然の中で同じ服を着て舞う少女たちを捉えることで不思議な会合を開いているような様子を収めた作品群です。本作は雪の中が舞台となっており、スローシャッターや長時間露光で撮影された作品は水彩画のような幻想的な世界観を楽しめる内容となっています。
「winter」は2020年2月にBOOK AND SONSでも写真展を開催した写真家、藤田はるか氏の写真集です。
本作では氏が10年以上もの間、場所を限定せずただ雪に魅せられて撮り続けてきた景色を収めています。故郷である東北をはじめ、北海道、ロシア、ヨーロッパで撮影された写真は、白く冷たい雪に覆われた冬の景色の中で見つけた自然が作り出す美しさを捉えています。田中義久氏が手がけた雪の中を迷いながらも包み込まれるような真っ白で美しいブックデザインも必見の一冊です。
写真家・菊地和歌子が2008年から撮影をスタートしたシリーズ写真集「echo」。
菊地氏が生まれ育った東北の田舎町の風景に着想を得て、8年間に渡り撮影された雪の作品が収められています。
大地を雪が覆うこと夜でも空が明るく、白いベールに包まれて自分以外何も見えなくなるほど視界が奪われる瞬間は、現実の風景でありながら子どもの頃に想像した世界を思い出すような、どこか懐かしく優しい気持ちにさせてくれます。