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Gerry Johanssonのフェアを開催中

13th October 2020

BOOK REVIEW

80年代中頃からフリーランスの写真家としてキャリアをスタートさせ、欧米を中心とした国、地域で撮影し、静かで重みのある写真を発表してきたGerry Johansson(ゲリー・ヨハンソン)。
愛媛県を撮影した最新作「Ehime」の発売を記念し、店頭ではGerry Johanssonのフェアを開催中です。

「Ehime」の通常盤はもちろん、作家本人による手焼きのプリント・初版の写真集・サイン入りカードが収められた特装版の他、過去作品も多数取り揃えております。
スタッフのおすすめをご紹介いたしますので、ぜひ最後までご覧ください。

Ehime

ヨーロッパを中心とした国、地域で撮影し、静かで重みのある写真を発表してきたゲリー・ヨハンソン。
以前にも日本の東京を写した作品を発表していますが、今回は「愛媛」を撮影したシリーズ。東京とは異なる、自然と現代的な生活が入り混じる風景に引き込まれたそう。
ゲリー・ヨハンソンが日本を捉えた写真を見られるのはとても嬉しく、見慣れた街並みや風景が私たちの目にも新鮮に映るのが不思議です。
何度でも読み返したくなる一冊となっています。

Lalendof und Klaber

ドイツにある2つの小さな町、ラレンドルフ(Lalendorf)とクレーバー(Klaber)を約30年の歳月をかけて撮影した本作。
最初の写真は、ゲリーが初めてドイツを訪れた1992年に撮影されたもので、のちに『DEUTSCHLAND』(MACK, 2012)に収録されました。最後の写真は2020年1月に撮影されたものとなります。
ゲリーらしい静かで気取らない写真作品が収められた本書。小ぶりでシンプルな装丁は愛らしく、思わず手に取りたくなるような一冊です。
限定350部。

AT HOME IN SWEDEN, GERMANY AND AMERICA

2019年から2020年の間にイタリアで開催された同名の展覧会に伴い、出版されました。
スウェーデン、ドイツ、アメリカでの撮影旅行中に制作された20枚の写真は、写真家ゲリー・ヨハンソンの30年近くにも及ぶキャリアの集大成であり、中でも著名な三部作『SVERIGE』、『DEUTSCHLAND』、『AMERIKA』にも収録されていない未発表の写真が選ばれています。
彼の写真からは人の気配がほとんど感じられませんが、捉えた風景の中には人間の痕跡が残っています。そこに時々ユーモアを感じることも。
本書には、各国を旅する中で訪れた地名を厳密にアルファベット順に並べたシークエンスに加え、人生の重要な時期を時系列に沿って読み解いたテキストを収録。
収められた写真は少ないですが、ゲリー・ヨハンソンの世界を堪能できる一冊となっています。
6枚のステッカーが付いているのも嬉しいポイントです。

DEUTSCHLAND

ゲリーが18年間に渡ってアメリカ・スウェーデン・モンゴルを撮り続けてきたシリーズの最終章「ドイツ」を収録。
ドイツ国内で撮影した田舎や都会の風景をアルファベット順に並べた構成となっており、352ページに渡る風景には何気ない「ドイツ」の伝統や独自の風土が写し出されています。一見シンプルな写真ですが、その地域の歴史や背景を繊細に切り取っています。
ドイツの多様な文化遺産を巡る、見る者を一風変わった写真の旅へと連れて行く一冊です。

HATTFABRIKEN/LUCKENWALDE

2012年9月にスウェーデンのストックホルム近代美術館で開催された展覧会「MOMENT」に合わせて出版された本作は、ディック・ベングトソン(Dick Bengtsson)の絵画から着想を得て制作されました。
2009年から2012年までドイツのルッケンヴァルデを捉えており、一風変わった帽子工場の建築の詳細を記録しています。その工場の歴史や、空き家となった公営住宅などルッケンヴァルデの街並みが収録された本書は、1920年代から現在までの政治や時代背景を反映した場所、建物の一連のイメージが好奇心を刺激してくれます。

RAVENNA

モザイク美術やビザンチン様式の古建築で名高いイタリア北東部の都市ラヴェンナ(Ravenna)。
古都であるこの街の中心部に港湾地帯が深く入り込んでいる風景に惹かれたゲリーが撮影した写真が本書には収められています。
あまり知られていませんが、かつてこの街をヨーロッパの石油産業の中心にする計画があったそう。幸いなことに工業化の規模は小さかったのですが、その爪痕は今も街の至るところに残されており、都市と産業のハイブリッドな風景は不思議かつとても興味深いです。
そんな工業都市ラヴェンナは、ミケランジェロ・アントニオーニ監督初のカラー作品「赤い砂漠」の舞台にもなり、映画には無機質な工場が並ぶシーンが映し出されています。本書と合わせて鑑賞してみるのもいかがでしょうか。
限定350部。

 

ゲリー・ヨハンソン(Gerry Johansson)
1945年スウェーデン生まれ。10代の頃に写真に興味を持ち、60年代前半にニューヨークに移住。後に、Konstindustriskolan (現在のthe School of Design and Crafts at the University of Gothenburg)でグラフィックデザインを学び、15年間グラフィックデザイナーとして活動する間も写真を撮り続けていた。1980年中頃からフリーランスの写真家として働き始めたが、彼の初めての個展は1982年the Fotografiska Museet at the Moderna Museetとなる。2000年代からより一層精力的に作品集を発表し、国内外で展示をしている。

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